おみ農園

鉾田から届ける、食べたらもう戻れない干し芋
小見陽介さん
茨城県鉾田市の地で祖父の代から続く農業をベースに、干し芋づくりを主力に展開する農園です。
「干し芋を通して感動を届けたい」「ひとくちで心が動く体験をしてほしい」——そんな思いを込めて、ひとつひとつの商品を丁寧に仕上げています。これからはネット販売や二次加工品、地域との連携も広げながら、干し芋文化を次世代へとつなげていく挑戦を続けていきます。
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- 干し芋
- 添加物不使用
- 天日干し
Q.「おみ農園」について教えていただけますか?
茨城県鉾田市で、干し芋を中心にさつまいもとミニトマトの栽培を行っています。農業自体は祖父の代から始まり、現在は父が代表を務めています。
僕は今、少しずつ継承している段階で、今年の10月には法人化して代表に就く予定です。
両親の年齢のこともあり、次のステージへ進むタイミングだと感じています。ありがたいことに干し芋の事業が伸びてきているので、法人化を機に販路や雇用の拡大にも取り組んでいきたいと思っています。
Q.この土地で干し芋づくりに取り組まれるようになった背景を伺ってもいいですか?
最初はメロン農家としてスタートし、その後ミニトマトやアスパラを栽培してきました。
ただ、アスパラは株が20年以上も持つ作物なので、もう一度同じサイクルを繰り返すには負担が大きいと感じていました。
そんなときに「べにはるか」というさつまいもの新しい品種が出てきて、これはいけるんじゃないかと思ったんです。
当時この地域では干し芋をやっている人はほとんどいなかったのですが、思い切って始めたところ、好評をいただいて今に至ります。


Q.実際に干し芋を作っていく中で、大切にされているこだわりはありますか?
まず原料であるさつまいも作りにこだわっています。
畑は全部で35か所くらいあって、それぞれ土の質や状態が違うんですね。だからすべて土壌診断をして、適切な肥料やバランスを整えるようにしています。それを毎年調整していく感じです。
それと干し芋に加工する工程では、天日干しを徹底しているのが特徴です。
乾燥機だけでやると色味や風味が落ちるので、天日でゆっくり乾燥させることで味と見た目を良くしています。
Q.さつまいもの栽培から干し芋になるまでの中で、特に大変な時期はいつですか?
どの時期も忙しいですが、やっぱり苗を植えるときが大変ですね。10ヘクタール分の畑を中腰で1本ずつ植えていくんですが、直線にすると全長100kmになるくらいの距離を歩くことになります。
夏は雑草の管理や除草、秋は9〜11月まで毎日芋掘り。1日20〜25キロのコンテナを100個以上運ぶこともあるので、かなり腰にきます。
最後は12月から年明けにかけて、贈答品用の干し芋をひたすら作るという流れで、一年に3つの山場があります。

Q.それだけ手間のかかる干し芋づくりですが、やっぱり味や品質には差が出るのでしょうか?
ありがたいことに「おみ農園の干し芋を食べたら戻れない」と言ってくださる方が本当に多いです。
市販のものと食べ比べてみると違いがはっきりするみたいですね。
うちは見た目と味で勝負したいと思っていて、添加物は使っていません。最近はチョコがけの干し芋などもありますが、うちは素材の味をしっかり伝えたいので、そういった加工はあえてしていません。
その代わり、端材を使ったペーストやバターなどは今後展開できたらと考えています。
Q.どんな干し芋が人気ですか?
最近特に人気なのはスティックタイプですね。都内のオフィスワーカーの方が、小腹がすいたときにバッグから取り出して手軽に食べられると好評です。
従来のスライスや丸干しもありますが、商品ごとに需要のある地域が違っておもしろいです。
直売所では贈答用に箱で買っていかれる方も多いですし、試し買いなら少量のパックが人気です。

Q.地域とのつながりでは、どのような活動をされていますか?
僕はまだ若手なので、農業経営者の方々とはそこまで関わりがないですが、地域のお祭りや若手農業者の集まりにはできるだけ参加するようにしています。
昨年から始まった「大洋祭」では、近くの小学校で焼き芋を出したり、小学生とふれあう機会もありました。
そういったイベントを通じて、学びや体験の場を提供したり、芋掘り体験などを通して地域ともっと関わっていきたいと考えています。
Q.最後に、これからおみ農園の干し芋を手に取ってくださる方にメッセージをお願いします。
僕たちは「感動してもらえる農産物を作りたい」という思いで干し芋づくりに取り組んでいます。派手な加工ではなく、素材本来の甘さや風味で勝負しています。
うちの干し芋を一度食べてくだされば、その違いを感じていただけると思いますので、ぜひ試してみてください。
食べた方の心を動かせたら、それがなによりの喜びです。
小見陽介さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!