樹林

お肉の「じゅーっ」が合図です
栗林さん
鹿嶋の地に根差し、地域の人々に寄り添って60年。お好み焼き・しゃぶしゃぶ・すき焼きと、世代を超えて楽しめる料理を自家製のタレや地元の食材とともに提供しています。「実家に帰ってきたみたい」と言われる、あたたかくてほっとする空間を守り続けながら、家族経営ならではの丁寧な料理とサービスを大切にしています。
誰かの笑顔のきっかけになるお店でありたい。そんな思いで、今日も鉄板に火を入れています。
URL:InstagramMap:飲食
- 自家製タレ
- 常陸牛
- 地域密着
Q.開業当時のことをもう少し詳しく教えていただけますか?
お店のルーツは60年前にさかのぼります。最初は今の「樹林」ではなく「大進(だいしん)」という名前で、和の民宿のような建物でスタートしました。
父と母が始めた鉄板焼きのお店で、当時鹿嶋にはお好み焼き屋がなかったんです。東京出身の母が、東京で親しんでいたもんじゃ焼きやお好み焼きを地元に紹介する形で始まったのがきっかけでした。
東京まで牛肉を仕入れに行っていたこともありますね。
それから25年近く「大進」で営業し、建て替えを機に「樹林」へと名前を変えて、しゃぶしゃぶとすき焼きを扱い始めました。
Q.「樹林」という店名にはどんな意味が込められているのでしょうか?
「樹林」という名前は、お肉を焼いた時の「じゅーっ」という音の「樹(ジュ)」と、私たちの苗字である「栗林(くりばやし)」の「林」を組み合わせて名付けました。
名前を考えてくださったのは、家族でとてもお世話になっている尊敬する方なんです。お店の新しいスタートを象徴する名前として、今も大切に使っています。


Q.2代目として、代替わりされた際のエピソードを教えていただけますか?
コロナ禍に入る直前に、私たち夫婦が2代目としてお店を受け継ぎました。両親は今も現役で働いてくれていて、家族みんなで支え合いながら続けています。
お客様からは「実家に帰ってきたみたい」と言っていただくことが多く、本当にありがたいです。常連さんの中には、かつて家族で通ってくれていて、今はお孫さんを連れて来てくださる方もいます。
Q.特に人気のあるメニューについても教えていただけますか?
今はしゃぶしゃぶ・すき焼き・お好み焼きがどれも人気です。特にお好み焼きやもんじゃ焼きは、生地よりキャベツが多くて、軽く食べられるのが特長です。
お客様ご自身で焼いて楽しめるのもポイントですね。子どもから大人まで、世代を問わず人気のあるメニューです。

Q.お子様連れのお客様に向けて工夫されていることはありますか?
2階は和室の個室があり、最大40名ほど入れる宴会場にもなっています。家族連れの方や小さなお子さん連れの方には、落ち着いて過ごしていただける空間づくりを意識しています。
お子様メニューやホットケーキなど、自分で焼ける料理もあって、親子で楽しく過ごしていただけるようにしています。
Q.ご家族での利用が多い中で、自家製の焼肉のタレがとても人気と伺いました。そのタレについて教えてください。
焼肉のタレは父が1人で考案して作ったもので、今も父しか作れません。にんにくの効いたピリ辛の味わいで、サラダのドレッシングや鉄板料理にも使えます。
タレがあると野菜が食べられるようになったというお子さんの声もあり、うれしいですね。母が作る手作りのポン酢もさっぱりしていて人気です。

Q.食材選びで意識していることがあれば教えてください。
できるだけ地元の野菜を使うようにしています。ただ、旬ではない時期には他の地域のものも取り入れています。野菜本来の味を活かせるような調理を心がけていて、安心して召し上がっていただけるようにしています。
Q.「リーズナブルな価格設定」も魅力のひとつと感じましたが、それに込められた思いについてお聞かせください。
もともと両親の代から「安くておいしいものをたくさん食べてほしい」という思いがありました。今もその気持ちは変わらず、売上よりもお客様に笑顔になってほしいという気持ちを大切にしています。
私の代になってから少し価格を調整しましたが、それでも2,800円からのコースなど、できるだけ手の届きやすい価格で提供しています。
Q.地元に愛されるお店として、「町に必要とされる店」であるために意識していることは何ですか?
お客様が帰ってきたくなるような「実家のような安心感」を持てるお店でありたいと常に思っています。夫婦やスタッフ全員で足りない部分を補い合いながら、お客様にとって居心地の良い時間を過ごしてもらえるよう努めています。
嫌なことがあっても、うちの料理を食べて元気になってくれる…そんな存在でありたいです。
Q.これからの挑戦として、今後どんなお店にしていきたいと考えていますか?
今は家族経営ですが、少しずつ規模を広げて、社員の雇用もしていきたいと考えています。家族だけでなく、チームとして安定したサービスを提供できるようにしたいです。
ずっと変わらず、来てくれたお客様に「ここに来てよかった」と思ってもらえるお店を続けていきたいと思っています。
栗林さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!