酒楽処ちゃくら

「ただいま」と言いたくなる、神栖の隠れ家居酒屋
三原さん
騒がしいだけの居酒屋ではなく、静かにゆっくりとお酒や食事を楽しめる場所です。ご主人が長年思い描き、亡くなられた今もその意志を大切にしながら、奥様が1人で切り盛りしています。料理には親子三代に渡る味の記憶と愛情が詰まっており、子どもから大人まで安心して楽しめるよう工夫されています。
常連さんとの繋がりを大切にし、時には地域の「逃げ場」として、心の拠り所となるような存在であり続けたいという思いが込められています。
URL:InstagramMap:飲食
- 隠れ家居酒屋
- アットホーム
- 唐揚げ
Q.まずは、ご夫婦で居酒屋を始められた経緯について教えてください。
震災の年に、ずっと居酒屋をやりたいと言っていた主人が会社を辞めてきたのが始まりです。
私はもともと実家が自営業で、カラオケ屋と居酒屋を営んでいたので、その経験もあり「じゃあやろうか」と背中を押されるような形で、2011年10月に「ちゃくら」をオープンしました。
Q.ご主人と一緒に立ち上げたお店「ちゃくら」の由来について教えていただけますか?
「ちゃくら」という名前は、娘が自分のことを小さいころに「サクラ」って言えなくて、「チャクラ、チャクラ」と言っていたことがきっかけです。家族の中から自然に生まれた愛着ある名前なんです。


Q.お店のコンセプトとして特に意識されていることは何でしょうか?
ガヤガヤした居酒屋ではなく、静かにゆっくり飲める空間を目指しました。アジアンテイストのインテリアも取り入れて、落ち着ける雰囲気にしています。
私自身お酒が飲めないこともあって、お客さんとは静かに距離感を持ちながら、居心地の良い空間を心がけています。
Q.静かに過ごせる空間を保つために、実際に取り組まれているルールや工夫はありますか?
うちは「コール禁止」としています。騒がしいお客様には、申し訳ないですが「ごめんなさい」とお帰りいただくこともあります。主人もそういう騒がしいのが苦手で、今でもその方針を守り続けているんです。
結果的に、静かにお酒を楽しみたいお客様にとって心地よい場所になっていると思います。

Q.これまで印象的だった常連さんとのエピソードはありますか?
主人は人が好きで、仲良くなったお客様とバーベキューをしたり、誕生日会を店で開いたりしていました。常連さん同士もどんどん深くつながっていく感じで、今でもその輪が残っています。
息子もその流れを引き継いでくれていて、釣りやサバゲーの仲間が集まることもあります。
Q.ご家族全体でお店を支えていらっしゃるんですね。人気メニューの「唐揚げ」と「だし巻き」について、それぞれ誕生の背景を教えてください。
唐揚げは、私の父が作っていた味が大好きで、その味を教わって作っています。
だし巻きは、お酒に合うものが作りたくて、いろいろなお店の味を研究して完成させました。甘さ控えめで、出汁の風味をしっかり感じられるようにしています。

Q.料理や雰囲気をリーズナブルに楽しめると口コミでも評判ですが、価格面で工夫されていることはありますか?
価格はもう何年も変わっていないんです。コロナ以降も値上げせず、お客様が気軽に飲みに来れるようにしています。
原価は上がっていますが、あまりに高くすると来づらくなってしまう。お客様第一でギリギリのところでやっています。
Q.ファミリー層に向けた工夫についても教えてください。
もちろん、お子様連れも大歓迎です。私たち夫婦は子どもが大好きなので、子ども用のメニューを増やしています。
だし巻きやご飯ものなど、子どもでも食べやすいものを用意しています。半個室もあるので、落ち着いて過ごせますし、私も手が空いていれば「おいで」って抱っこしたりしてます(笑)。
Q.初めての方にも温かく迎えてくれるお店という印象ですが、入りづらさを感じる方もいるかもしれません。その点についてはどのようにお考えですか?
確かに、建物が奥まっていて窓もないので、最初は入りづらいと思う方もいるみたいです。でも、実際に入ってみればアットホームで気楽な雰囲気です。
初めての方でも全然大歓迎ですので、気軽に扉を開けてもらえたら嬉しいです。
Q.気軽に立ち寄れる居酒屋を目指しつつ、今後目指すお店の形や理想はありますか?
主人が亡くなってまだ半年ちょっとなので、正直まだ明確なビジョンはありません。
でも、次男が料理が好きで、将来的に「やりたい」と言ってくれているので、その時は思いっきり応援したいですね。
今は日々を丁寧に、現状維持を心がけながら続けていきたいと思っています。
三原さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!