野栄建設株式会社

Q.まずは、会社を設立された背景についてお伺いしてもよろしいでしょうか？

もともと私は足場専門の会社に勤めていました。
2016年に独立して会社を立ち上げたのは、自分がどこまでできるか挑戦したいという思いが大きかったですね。また、職人の世界にある閉鎖的なイメージやコミュニケーションの難しさを変えたいという思いもありました。
現在では足場業だけでなく、溶接やプラントメンテナンスなど、他業種にも展開しています。

Q.創業当初に感じた課題についてもうお伺いできますか？

1番は「人との関わり方」でした。職人の世界は技術よりも人間性が重視される側面が強く、そこが難しさでもあり大切な部分でもあります。
だからこそ、技術面の教育だけでなく、コミュニケーション力の育成を意識して取り組んできました。

Q.「挑戦・成長・共栄」それぞれの言葉に込めた意味について教えていただけますか？

「挑戦」は、社会の変化や不確実性の中でも前に進む姿勢を意味しています。コロナ禍を機に、変わっていかなければという危機感がより強まりました。
「共栄」は、自社だけが儲かる仕組みではなく、関係企業や職人全体が良くなっていくことを目指しています。
「成長」はもちろん、技術力や組織力の向上のことですね。

Q.変化への挑戦として、一括受注体制に移行された経緯を教えていただけますか？

足場工事は工事の最初と最後だけ関わるため、間の期間は手が空いてしまうことが多いです。その間の職人の雇用維持や、自分自身が怪我で現場に出られなかった経験から、体力勝負でなく長く働ける仕組みが必要だと痛感しました。
そこで他業種にも挑戦するようになり、一括受注体制へとシフトしていきました。

Q.職人の定着率が非常に高いとお聞きしましたが、その秘訣は何だと感じていますか？

やはり人間関係の部分が大きいです。創業当初から残っている職人が半数を占めていて、それは仕事だけでなく人として信頼関係を築けているからだと思います。
また、建設業以外の世界、たとえば商工会などに関わることで多様な視点を得られたことも大きいですね。

Q.職業体験では、どのような活動をされていますか？

商工会のつながりをきっかけに、不登校の子ども向けに溶接や迷路の組立体験を行っています。
またイベントでは重機体験やラーメン作りも取り入れて、建設業に対するポジティブな印象を持ってもらえるよう工夫しています。
子どもたちからの手紙や、親御さんからの感謝の声が何より励みになります。

Q.建設業の未来にどんな影響を与えたいと考えていますか？

職人＝かっこいいという印象を持ってもらいたいです。例えば、おしゃれな作業着を支給して見た目から入る工夫もしています。
未経験者にも多業種を体験してもらいながら、自分に合った職種を見つけて長く働ける環境づくりを目指しています。

Q.最後に、御社の仕事に興味がある方や、発注を検討されている方に向けてメッセージをお願いします。

当社では他社との比較や売り込みは一切しておらず、いただいた仕事には誠実に、無事故・無災害を第一に対応しています。
またお客様との信頼関係を大切にしながら、職人自身の成長と地域貢献も重視しています。
建設業の枠を超え、人として成長し続けられるよう、今後も仕事と社会活動の両面で挑戦を続けていきたいです。

野口 大輔さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました！