うさみ園

完熟で届ける、いちごの極み
宇佐見さん
完熟で1番おいしい状態のいちごを、いちばん近くで届けることを大切にしています。お客様の「おいしい!」という声を何よりの原動力に、日々試行錯誤と工夫を重ねながら、自然に正直に向き合い、いちごと共に育っています。
農業の魅力や鉾田の風土を伝える場としても、この農園が地域との繋がりを深め、未来に繋げる場所でありたい。そんな思いで、今日も一粒一粒に心を込めています。
URL:ホームページMap:暮らす
- いちご
- やよいひめ
- 茨城いちごグランプリ受賞
Q.なぜいちごをメインで栽培されているのでしょうか?
うちは親父の代から続いている農家なんですが、もともとメロンやトマトなども栽培していたんです。親父の代ではメロンが人気でしたね。
私が27歳のときにサラリーマンを辞めて就農したタイミングで、親父が「これからはいちごだ」と判断したのが転換点でした。
実際にその頃からいちご農家が増えてきていて、うちでもいちごの栽培面積を増やしていきました。
震災もあり経営的に厳しい時期もありましたが、試行錯誤の末「やよいひめ」という品種に絞っていくことで道が開けた感覚はあります。
Q.なぜ「やよいひめ」だけに絞ったのでしょうか?
震災の時期に6品種ほど育てていた中で、群馬県で生まれた比較的新しい品種の「やよいひめ」が特にお客様の反応が良かったんです。
その後、直売を中心に販売していく中で「やよいひめ」1本に絞っていきました。今では100%やよいひめだけを育てています。


Q.やよいひめの栽培で、特に気を使われている点はどこでしょうか?
1番は、完熟で収穫するという点です。市場出荷では完熟前でないと流通上問題になることもありますが、うちは直売中心なので、おいしい状態で提供できるんです。
また、温度や水の管理、CO2濃度の調整、有機肥料の使用やステビア栽培など、いちご自体が健康で元気に育つように工夫しています。
Q.完熟での販売が強みとのことでしたが、やよいひめの旬の時期について詳しく教えてください。
やよいひめの名前にもある通り、3月くらいまでおいしく食べられる品種です。
特においしさがピークになるのが2月下旬から3月中旬。この時期は天気が良いと味もぐっと良くなるので、朝の陽を浴びてじっくりと赤くなるいちごは、本当に味が濃くて歯ごたえもいいです。
サイズもその時期が1番大きいものが採れますね。

Q.どんなお客様が多く訪れるのでしょうか?
地元の方はもちろん、鹿島や神栖など近隣からもたくさん来てくださいます。
他県ナンバーも結構多くて、チラシで調査したときには鹿嶋方面からのお客さんが特に多かったです。
口コミで広がっていって、特にB品を求めて毎朝並んでくださる方も多いですね。整理券が必要になるくらい人気なんです。
Q.B品の整理券まで出るとはすごい人気ですね。SNSやブランディング面ではどんな工夫をされていますか?
うちの直売所は去年新しく建てたんですけど、見た目も「映える」ように意識しました。写真スポットを作ったり、立体の看板を準備したり。
ホームページも、プロの方に頼んでスクロールするとアニメーションが動くなど、世界観を意識して仕上げています。実際に評判も良くて、SNSを通じて若い方の来園も増えました。
Q.アントラーズの選手たちとの繋がりもあるとお聞きしましたが、どういったきっかけだったのでしょう?
最初のきっかけは、うちの妻が鹿嶋出身だったことです。近所に元アントラーズのコーチがいたんですよ。そこから関係ができて、差し入れとしていちごを送るようになりました。
新聞に取り上げられたこともあって、そこから口コミでどんどん広がっていって。
植田選手なんかは30ケース単位で買ってくれたりして、それを選手に配ってくれるんですよね。
Q.地域とのつながりも大切にされている印象ですが、最近ではどんな活動をされていますか?
最近では地元の中学校でカゴメさんと一緒に食育講演をしたりしています。
子どもたちに農業のリアルを伝えることって大事で、次の世代に少しでも興味を持ってもらえたらと思ってます。
農業って「きつい」というイメージを持たれがちですけど、誇りを持てる仕事ですし、未来の担い手が増えてほしいですね。

Q.これからうさみ園をどうしていきたいとお考えですか?後継ぎや拡大のご予定などがあれば教えてください。
法人化の話も出てますが、今はまだ息子もいますし、本人の意志次第ですね。ただ、外部から新しく農業を始めたいという若い方も来ていて、育成にも力を入れています。
現在はカンボジアからの実習生も含めて15人ほどの体制で運営してます。
地域全体で情報を共有しながら高め合う環境を大事にしたいですね。
Q.最後に、やよいひめをこれから食べる方、またうさみ園に訪れる方に向けてメッセージをお願いします。
ぜひ一度、うさみ園に足を運んでいただきたいです。
いちごの味はもちろんですが、どんな場所でどんな人が作っているかも含めて感じていただけたらうれしいです。
そして「期待して来たけど、それ以上だった」と思ってもらえたら最高ですね。
鉾田市自体は観光地ではないけれど、農業という強みを持っている場所です。ここを訪れるきっかけになればと思っています。
– おいしいイチゴをいただきました! –
とにかく甘くておいしかったです!
まず驚いたのが、その大きさ。1粒が本当に大きくて、手に取った瞬間からワクワクが止まりませんでした。
そして食べてみると…びっくりするほど甘い!これが「完熟」の味かと納得。直売所ならではの鮮度だからこそ、この甘さとジューシーさが引き立っているんだなと思いました。
本当に感動レベルのおいしさで、ひとくちごとに幸せが広がる感じ。
また絶対に食べたい!そう思えるいちごに出会えました。

宇佐見さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!