掌(たなごころ)

掌(たなごころ)

潮来で見つけた、心ほどける居場所

土屋さん

「手の心=真心」を大切にした和食店です。古民家風の完全個室で、誰にも気兼ねせず過ごせる空間。そしてなにより、また来たいと思ってもらえるような「いつもの場所」として、地域に根差したお店でありたい。季節の山菜や地元のマコモダケなど、地のものを活かしながら、新たなチャレンジも惜しまない。
そんな温もりのある和食店です。

URL:InstagramMap:飲食

  • 完全個室
  • 潮来
  • 古民家風

Q.「掌(たなごころ)」という店名にはどんな意味が込められているのでしょうか?。

「掌(たなごころ)」という言葉には「手の心」という意味があって、その名の通り、自分の手で作る料理に真心を込めてお客様に届けたいという思いを込めました。
料理って技術だけでなく、そこに込められた気持ちが味に出ると思うんです。お客さんになにかを届けたいと思う心、それを一皿に込めるという意味で「掌」と名づけました。
専門学校を卒業して東京で修行をしながら、自分なりの「手の心」の料理をずっと追求してきたんです。

Q.「真心を込める」という姿勢を大切にしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

実家がそば屋で、小さい頃から包丁を触ったり、遊び感覚で厨房に立っていたんです。自然と料理が身近にあって、気づけば好きになっていたんですよね。
その後、東京でいろんなジャンルの和食店で経験を積む中で、お客様の「おいしかった」という笑顔になによりも価値を感じました。
そういう気持ちを大事にしたい、ならばこちらの心が込もってないと意味がない、そう感じたことが今の「真心を込める」姿勢につながっています。

Q.料理を提供する上で、味以外に気をつけていることはありますか?

1番大事にしているのは、「常に同じクオリティで提供すること」です。

料理人の気分が料理に出てしまうことって、実は結構あるんです。体調や気分で味にムラが出ることもある。でもそれではダメだと思っていて。どんなときでも、目の前のお客様にベストなものを出したい。
自分の中のブレを無くして、「いつ来てもおいしいね」と言ってもらえるように、常に一定のクオリティを保つことに気を配っています。

Q.「また来たい」と思ってもらえることが一番嬉しいとおっしゃっていましたが、人気のメニューや、常連さんに愛されている料理について教えてください。

1番よく出るのは「刺し盛り」と「串盛り」ですね。特に刺身は、自信を持ってお出ししています。
仕入れは成田の市場からで、調子や勝浦などの漁港から届く魚が中心です。千葉県とは縁も深いので、仕入れ先として信頼しています。

それから「だし巻き卵」も人気です。卵は何種類も試した結果、今は青森産の卵を使っています。黄身の色も濃く、甘味と旨みがしっかりしていて、見た目から違います。
だしとの相性も抜群で、ふわっと仕上げるのに技術も必要ですが、手間を惜しまず1つ1つ丁寧に巻いています。

Q.卵の選定1つにも妥協しない姿勢が感じられます。料理全体を支える「食材選び」にはどんな基準やこだわりがありますか?

まずは「新鮮であること」これは当たり前のようでいて、意外と徹底するのは難しい。海の幸は市場から、山の幸は自分で山に入って採ってくることもあります。
たとえば春先のタケノコは、知人の山で自分で掘ってきます。手間はかかりますが、やっぱり自分で見て選んだものだから、安心してお客様に出せる。
山菜もそうです。地元の自然の恵みを、そのまま感じていただきたいんです。

Q.自然の恵みを活かした料理に、お酒を合わせる楽しみもありますよね。お酒とのペアリングについて意識されていることを教えてください。

日本酒と焼酎はそれぞれ10種類ほどご用意しています。自分自身お酒が好きなので、「この料理にはこの酒が合うな」と日々考えています。
お客様から「なにか合うお酒ありますか?」と聞かれたら、その方の好みや料理の内容に合わせて提案させていただいています。
自分の好みになりすぎないように注意しながら、お客様にとって最も「沁みる」一杯を出せるように意識しています。料理とお酒がピタッと合った瞬間って、やっぱり感動がありますから。

Q.個室の多さや古民家風のデザインには、どのような思いがあるのでしょうか?

当時潮来には「個室の居酒屋」がほとんどなかったんです。人との距離が近い町なので、誰と会うか気になる方も多い。だからこそ、気兼ねなくゆっくりできる空間を作りたくて個室を中心にしました。

玄関には欅の古材を使い、建具も実際の古民家から取り寄せています。外観はあえて無機質な素材を使って、室内とのギャップを演出しました。
中に入った瞬間に「おっ」と感じてほしい。非日常感は出しつつも、何度でも通えるような、落ち着ける場所にしたかったんです。

Q.接客について、特に意識されていることは何でしょうか?

接客で1番大切にしているのは「スピード」と「目を見て話すこと」。私は厨房にいてお客様の様子が見えないことが多いので、スタッフには「お客様がどういう方か」をこまめに聞いています。
どんなペースで食べているか、どんな雰囲気か。それをもとに、料理の出すタイミングや接し方を変えています。
個室だからこそ、その空間の居心地を最大化することが接客の役割だと思っています。

Q.潮来という地域を選んだ理由と、その魅力についてお聞かせください。

ここを選んだのは「地元を盛り上げたい」という思いからですね。
潮来は人と人の距離が近くて、温かい人が多い。だからこそ、この土地に個室でくつろげるお店があれば、もっと地元の人たちの居場所になると思ったんです。

駅に近いこともあって、誰でも立ち寄れる場所にしたかった。神栖や他の地域でやる選択肢もありましたが、自分の地元である潮来にこだわりました。
地元愛、ですね。

Q.地元愛が根底にあるからこそ、今後の展望にも期待が高まります。これから挑戦していきたいことについて教えてください。

まずは、ビアガーデンをやってみたいと思っています。店舗前の駐車場を使って、昼間から飲んで食べて楽しめるようなイベントができたら理想ですね。

あとは、潮来の特産「まこもだけ」をもっと多くの人に知ってもらいたい。うちでは焼き物などに使っていますが、味にクセがなくてどんな料理にも合うんです。秋が旬なので、その時期には積極的にメニューに取り入れています。
地元の食文化をもっと盛り上げて、飲食店全体で使ってもらえるようになったら嬉しいですね。

土屋さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!

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