春光園 / SHUNKOUEN

育てる楽しさ、飾る誇り。春光園の万年青
ヒロ
春光園は、万年青(おもと)という日本の伝統園芸植物を専門に育てている園芸店です。
三代にわたり受け継がれてきた技術と姿勢を大切にしながら、「真っ当が格好良い」という価値観を根本に据え、万年青本来の美しさを追求し続けています。
スパルタ式の育成法で植物本来の生命力を引き出し、購入後にこそ力を発揮するような鉢を届けることを信条としています。
また、初心者からベテランまで、多様な人の感覚に響く「美しい万年青」を届けるために、日々手をかけ、観察し続けています。
万年青の文化と価値を次世代につなぎ、園芸という営みが持つ静かで確かな喜びを、ひとりでも多くの人に感じてもらえるよう努めています。
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- 万年青
- 伝統園芸
- 縁起植物
Q.創業やルーツについて教えてください。いつ、どのように始まったのでしょうか?
春光園の創業は、私のおじいさんの代です。私で3代目ですね。
今年、創業50年になります。先代から万年青(おもと)を専門的にあつかうようになりました。
私自身は幼少期や学生時代は植物に全く興味はなかったんですが、高校を卒業しこの仕事につきました。
Q.春光園では、どのような万年青を育てていますか?
春光園では、万年青の中でも観葉、趣味に特化した交配品種を育てています。
小型の羅紗系統、中型の薄葉系統、大型の大葉系統があります。
小型の羅紗系統は葉長は大型でも15cm以下です。葉肉が厚く、葉芸の変化に富んでいます。
中型の薄葉系統は葉長は約15から20cmで葉肉が薄く、様々な斑・芸・姿を持っているんです。
大型の大葉系統は、大きさ30cm以上にもなります。薩摩万年青とも呼ばれていて、雄大で葉芸より姿・柄を観賞するものです。


Q.取り扱う万年青の中で、特に思い入れのある一鉢があれば教えてください。
松島性 総理口 残雪ですね。
大株の1本です。松島性残雪で唯一、内閣総理大臣賞を獲った事がある血統です。
大柄ですが図も雪白。また6本付いている全ての子にも、十分すぎる図柄が散りばめられています。
Q.名品展で12年連続1位を受賞された時の心情を教えてください。
プライドであり、プレッシャーにもなりますが、日々の積み重ねとお客様が作り上げた結果だと思います。

Q.育成方法、管理のこだわりはありますか?
植物の業者はスパルタに育て、お客様の元へ渡った際に良くなるような育て方がこだわりです。スパルタに育てた中でも良いものを商品として販売しています。
売るために、無理な育て方をして良く見せるのは本質ではないと思っています。
Q.お客様にはどういった方が多いですか?
万年青は「縁起植物」とも言われているので、縁起物や風水で使う印象も強いです。
ですが、最近ですと観葉植物やビザールプランツ(珍奇植物)としての人気も高くなっています。

Q.「美しい万年青」とはどんな形・姿でしょうか?
万年青は、生活のなかで癒しになるもの、ワクワクさせられるものなど色々な魅力があります。
ですが、美しさはその人の感覚で良いと思っています。
始めたばかりの人が見て良いと思うもの、玄人が見て良いと思うものは違いますから。
だからこそ、私は万人が見て良いと思う「美しい万年青」を育て用意し続けたいですね。
Q.InstagramなどSNSでも積極的に発信されていますが、どんな思いで発信しているのでしょう?
コアな世界なので認知してもらうことは大事だと思います。ですが、価値や印象を下げないようにしっかり発信していきたいです。
Q.園芸を通して伝えたい生き方、価値観はありますか?
真っ当が格好良い、と信じることですね。
Q.これからの展望や構想はありますか?
万年青が伝統園芸としてより知れ渡り、日本の伝統の押し上げをしていくことですね。
趣味としての本質を見極め、真っ当にお客様が楽しめる世界を作る。現代の万年青鉢の認知を広げ、過去の万年青鉢の価値を高めることを目指しています。
10年後、20年後。春光園と私自身が変わらない為に変わり続けたいですね。
ヒロさん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!