成柔館

厳しさより、続ける強さを育てる場所
関野由香さん
「柔道を通じて、心と体が柔らかくなる場所」でありたいと考えています。勝ち負けや強さにこだわるのではなく、まずは「体を動かすことの楽しさ」や「人との関わりの大切さ」を実感してもらえるような環境づくりを大切にしています。
年齢や運動能力に関係なく、どんな子でも安心して一歩を踏み出せる場所となるように。成柔館は地域に根ざし、子どもたちの未来にそっと寄り添う柔道教室です。
URL:InstagramMap:暮らす
- 柔道
- 初心者歓迎
- 地域密着
Q.まずは、成柔館という名前の由来について教えていただけますか。
「成柔館」は、柔道を通して人として「柔らかくなる」という意味を込めて名づけました。
私たち夫婦は柔道を通じて出会い、人生そのものを柔道と共に歩んできましたし、成柔館は家族で始めた道場で、最初は子ども3人と一緒に、潮来でゼロからのスタートでした。
現在では小学生から中学生を中心に約20人が通ってくださっていて、中には年中さんや高校生もいたり、時には親御さんも一緒に参加することもあります。
Q.成柔館ならではの指導の雰囲気について教えてください。
私たちの道場では、勝ち負けや強さだけにとらわれず「柔道を好きになってくれること」「体を動かすことを楽しんでくれること」を大切にしています。
最近は試合の機会も増えてきて、勝ちたいという気持ちが出てくる子もいますが、基本的には「楽しく」「続けられる」柔道を目指しています。
子どもたちが自然に笑顔になる空気がある、それが成柔館らしさです。


Q.そのような楽しく通える雰囲気を保つために、大切にしている具体的な指導方針などはありますか?
1番大切にしているのは「挨拶」です。道場では誰にでも挨拶をするようにと教えていますし、声を出すことも重視しています。
例えば、声が小さかったらもう1度やり直すこともありますが、叱るのではなく、子どもたち自身が自然に「やろう」と思える雰囲気をつくっています。
6年生のキャプテンもすごくしっかりしていて、リーダーとして下の子たちを自然に導いてくれています。
Q.柔道を通じて子どもたちにどう成長していってほしいと考えていますか?
大人になった時に、何か壁にぶつかっても「柔道で頑張ったことがあるから大丈夫」と思えるような子になってほしいです。
娘も競合校に入って辛い経験もありましたが、柔道で鍛えた心のおかげで、社会に出ても動じずにいられたと言ってくれました。
きついことを乗り越えた経験は、自信にもなり、精神的な支えになると思っています。

Q.運動が苦手な子や自信のない子も通いやすい工夫などはされていますか?
もちろんです。リレーやドッジボール、バドミントンなども取り入れながら、「まずは体を動かすことを好きになってもらう」ことを大切にしています。
イベントも多くて、杵と臼を使ったお餅つきや、鹿島神宮まで走って帰りは電車で帰ってくる遠足のような取り組みもしています。
運動が苦手な子も「これなら楽しい」と思ってくれれば、それで第一歩なんです。
Q.成柔館として今後取り組んでいきたいことはありますか?
これからも「続けることが1番」という考えを大切に、強くなる子が出てきてくれれば嬉しいです。
ただ、厳しくしすぎて辞めてしまうのでは本末転倒なので、楽しさと厳しさのバランスを模索しています。
親御さんたちとも話し合いながら、どうやったら子どもたちが自分のペースでやる気になってくれるかを日々考えてます。
やる気は押しつけるものじゃないので、本人が「やりたい」と思える環境を整えてあげたいですね。

Q.実際に成柔館では、どのような子どもたちが変わっていった経験がありますか?
例えば今のキャプテンの子も、最初はなかなか来られなかった時期もありました。
でも、ある日「いじめられている子を助けられるようになりたい」と言ってくれて。それをきっかけにどんどん強くなっていきました。
本当に心から強くて優しい子に育ってくれて、今ではみんなの前に立って注意もしてくれます。こういう姿を見ると、柔道って技だけじゃなく、心を育てるものなんだと実感しますね。
Q.最後に、柔道に興味はあるけれど踏み出せないでいる親御さんやお子さんに向けて、メッセージをお願いします。
まずは気軽に見学に来てください。道着も貸し出していますし、運動が苦手な子でも全然大丈夫。
ゲームばかりしていた子でも、柔道を通じて身体を動かすことの楽しさを知ってもらえればいいなと思っています。
うちは学校ではないので、必要な時にはしっかり注意もします。でも、子どもたちの可能性を信じて、1人ひとりと丁寧に向き合っています。
親御さんもぜひ、私たちに大切なお子さんを預けてみてください。
関野由香さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!