loc sup itako
「水路のまち」の魅力を水辺から再発見。一歩踏み出す勇気をパドルに乗せて
菊池さん
潮来はかつて舟運で栄えた「水路のまち」。「loc sup itako」は、SUPをきっかけに水辺の魅力から生まれるつながりを、まちと人、人と自然、人と人の間にもう一度築こうとしています。
SUPは誰でも気軽に楽しめるスポーツでありながら、水辺という非日常へと足を踏み入れる第一歩。「ちょっとおもしろそう」そんな思いが芽生えるきっかけづくりを私たちは大切にしています。
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Q.まずは、潮来でSUPの活動を始められたきっかけについて教えてください。
私は2021年10月に潮来へ移住しました。本業を続けながら、別の形で地域と関わる方法を模索していたんです。
もともとスキューバダイビングのインストラクターの経験もあり、マリンレジャーが好きだったこともあって、水辺に関わる活動をしたいと思っていました。
潮来は水辺の資源がとても豊かなので、ここをフィールドにできたらおもしろいのではと考えました。
リサーチの中で出会った横浜の「水辺荘」の活動にも刺激を受けて、潮来でも同じように水辺を活かした取り組みができないかと思ったのが、SUPを始めたきっかけです。
Q.潮来という地域での活動にこだわった理由には、どんな背景があったのでしょうか?
潮来市が掲げていた「日本一の水路のまち」というビジョンに共感したことが大きいですね。水辺の整備計画が進められている中で、実際に活用するプレイヤーが必要だと感じました。
そこで、SUPというアクティビティを通じて、水辺を使ったコミュニティの再編ができるのではないかと思ったんです。
また地域おこし協力隊の方との出会いや、同じように活動に関心を持ってくれる仲間が見つかったことで、2022年春に本格的に動き出しました。


Q.仲間との出会いもきっかけになったんですね。SUPのどんな点に魅力を感じていますか?
SUPの魅力は、やはり誰でも気軽に始められることだと思います。波のない穏やかな場所で行うので、バランスを崩して落ちてしまうようなことはほとんどありません。
実際、私たちの体験でも9割以上の方が一度も落ちずに楽しんでいます。もし落ちてしまう場合も、ポジティブにチャレンジした結果というケースが多いです。
また、無理して立たなくてもいいというのも大きなポイントです。正座や膝立ちのままでも十分に景色を楽しめますし、まずは「水の上に立ってみる」という非日常そのものを味わってもらえればと思っています。
初めての方が「思っていたより簡単だった」「怖くなかった」と笑顔で終えられるのを見ると、やっぱりSUPっていいなと感じますね。
Q.体験された方の反応で、印象的だったことはありますか?
ありがたいことに、参加される方の多くは県外からの観光客です。「茨城にこんな場所があるんですね」と言っていただくことが多く、初めて潮来を訪れるきっかけにもなっています。
ただ、本当にやりたかったのは地元の方と水辺の距離を縮めること。
今はまだ観光客の方々が中心ですが、地域の方にも水辺の興味をもっていただけるように「意外とおもしろいじゃん!」と思っていただける機会を増やしていきたいと思っています。

Q.歴史ある潮来の水路に対してはどんな視点で向き合っていますか?
SUPをやりながら水路を進んでいると、昔の舟運文化の名残や歴史を感じることがあります。
水路側に玄関がある家や、しっかりとした階段が水辺に向いている風景を見ると「ここがかつてのメイン通りだったんだな」と実感しますね。
そうした景色を体感しながら移動できるのがSUPのおもしろいところで、ゲストの方にもそういった話をお伝えするようにしています。
Q.現在、地域の教育機関とも連携されているとお聞きしました。具体的な取り組みについて教えてください。
潮来高校の地域ビジネス科の授業に関わらせてもらっていて、観光プランを考える街歩きのプログラムなどでサポートしています。
定期的な連携までは至っていませんが、茨城大学が運営する環境フィールドステーションともコミュニケーションを取っています。
今後、何か面白い連携が生まれたらと考えているところです。

Q.今後の展望としては、どんな取り組みを考えていらっしゃいますか?
地域の子どもたちや親子に向けて、SUPを無料で体験してもらう機会を企画しています。
地元の方にとって水辺は「当たり前の風景」になっているので、改めてその価値を感じてもらえるきっかけになればと考えています。
また成田空港から近い地理的な特徴も活かして、韓国などアジア圏からの観光客にも潮来を訪れてもらえるような発信を進めていきたいと思っています。
地元の人にも、訪れた人にも、潮来というまちの本当の魅力をゆっくりと味わってもらいたい。 そんな思いで水辺から少しずつまちづくりを行っていこうと思っています。
Q.最後に、この記事を読んでくださっている方へメッセージをお願いします。
SUPに対して「落ちそう」「難しそう」と不安に感じる方も多いと思いますが、実はとてもシンプルで、誰でも楽しめるマリンアクティビティです。
自然の中でリフレッシュしたい方、新しいことを始めてみたい方にとっては、ぴったりの体験になると思います。
地元の方もぜひ、遊びのひとつの選択肢として気軽に足を運んでもらえたら嬉しいです。潮来の水辺でお待ちしています。
菊池さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!