ハンドメイド雑貨のお店 キャトル

毎日が少し幸せになる、あなただけの1点ものの雑貨たちとの出会いを
礼子さん
ハンドメイド雑貨の販売を通して、作り手と使い手、そして地域の人々がつながる場所です。子育て中のママ、障害を持つ方、高齢者、さまざまな背景を持つ作家さんたちの作品が並びます。
作家さんの優しさと気配りが込められた作品を見た瞬間、手に取った瞬間に、ふっと心が癒される。そんな小さな幸せをお届けできたらと願っています。
「キャトル」という店名に込められたのは、一筆書きの四つ葉のクローバーのように、すべての人がつながり、夢を共有できる場所でありたいという思いです。
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Q.ハンドメイド雑貨のお店を始めようと思った理由はなんだったのでしょうか?
もともと子どもが通っていた幼稚園では、親が手作りしなければならない小物が多かったんです。
でも、みんなが作れるわけじゃないから、得意な人が作ってあげる。対価はドーナツや布を渡したりする「物々交換」みたいな感じで。
それがすごく非公式で、頼む側も頼まれる側も、ちょっと負担になってしまっていたんですね。
でも実はママたちの中には、資格やスキルを持っている方も多くて。それを活かせる場があったら…とずっと思っていたのが始まりです。
加えて、建築の仕事をしていたときにNPO法人の障害者就労施設に関わることがあって、そこで商品を作っても売る場がないと知りました。
だったら一般の作家さん、高齢者、障害のある方、さまざまな人たちの手づくり品が集まる場所をつくればいいんじゃないかと。そこから「キャトル」が生まれました。
Q.お店のロゴに込めた意味も教えていただけますか?
「キャトル」のロゴは、一筆書きで描かれた四つ葉のクローバーです。
これは、障害を持つ方、高齢者、子育て中の方、そしてただモノづくりが好きな人。いろんな人たちが社会と関わるきっかけになるようにと考えた、コミュニティサロン的な意味も込めています。
始まりから終わりまで、全部がひとつの線でつながっている。それは「みんなで夢を叶える」という思いを表現しています。


Q.素敵なスタートがあったからこそのお店だと思いますが、お店を始めるにあたって大変だったことや苦労したことも多かったのではないですか?
もう、山ほどありますね(笑)。
特にお金の面は大変でした。開業資金は、当時小さかった子どもの将来のために貯めていた学費用の貯金を全部使って始めました。補助金や助成金の知識もなく、銀行からの融資も受けなかったので、完全な自己資金です。
しかも、もともとは勤めていた会社の中でお店を立ち上げたんですが、オープンからたった1ヶ月で「お店をやめるか買い取るか決めて」と言われて…。
訴えてもいいくらいの話だったんですけど、全国の作家さんに突然「やめます」とは言えず、買い取ることを決めました。
本当に突然だったので、覚悟を決めて全財産をつぎ込んでのスタートでした。
Q.そのような困難を乗り越えてこられた背景には、どんな支えがあったのでしょうか?
やっぱり、お客様と作家さんたちの存在ですね。
お客様は、私がどんな状況にあったかはもちろん知らないけれど、毎日「癒される」「楽しい」「ここに来ると元気になる」と言ってくださって。そういう日常の会話にすごく救われていました。
作品自体も本当にかわいくて、誰かを思いやる気持ちが詰まっている。それを見ているだけでも癒されていたんです。
作家さんも、スランプに陥ったり、「私には才能がない」と思い込んでしまうこともあるけれど、声をかけ合って励まし合うことができる。そういう場所になっていることが、私にとっても大きな支えでした。

Q.その「癒し」というキーワードが印象的でした。雑貨が持つ力について、どのようにお考えですか?
雑貨って、大きな機能があるわけじゃないんですけど、気持ちをふっと軽くしてくれる力があるんですよ。例えば、玄関にお気に入りの花があったり、バッグの中に自分好みのポーチが入っているだけで、気分が上がったり。
お客様も「このポーチを見てかわいいって思えた瞬間、気持ちが救われた」っておっしゃってくれたりして。
そういう一瞬の癒しの力って、すごく大きいんです。私自身も、苦しい時に雑貨に救われてきました。
Q.審査制で作家さんを選んでいらっしゃるとのことでしたが、どのような基準で選ばれているのですか?
やはり「責任感」と「クオリティ」が重要です。うちは誰でも預かるという形ではなく、作品を見て審査をしています。
細部まで丁寧に作られているか、長く使える丈夫な素材か、などもしっかり見ます。
市販のものは薄かったり壊れやすいものもあるので、それと比べても自信を持って「長く使えます」と言えるようなものだけを扱っています。
作家さんに対しては、作品のいいところを伝えて、伸ばしていけるようにプロデュース的なサポートもしています。

Q.出店先やイベントの場所にもこだわっているとお話しされていましたが、その理由を改めて教えていただけますか?
私たちが扱っている作品は、作家さんの思いや手間が込められた1点ものばかり。だからこそ、展示する場所も作品が輝ける場所にしたいという思いがあります。
百貨店やきれいな商業施設、明るい空間で開催することで、作品の魅力がより引き立つんです。
作家さんたちの大切な作品をより良い場所へ連れて行ってあげたい。そんな気持ちで出展先は選んでいます。
Q.たくさんの思いやストーリーが詰まった「キャトル」さん。最後に、これからお店に足を運ぶ方へメッセージをお願いします。
特に子育て中のママさんには、日々の大変さを少しでも癒してくれるような作品がたくさん揃っています。
全国の作家さん80名以上の丁寧な手仕事が並んでいますので、どなたでもきっと「これ好き!」と思えるものが見つかると思います。
1点ものが多いので、宝探しのような感覚で楽しんでもらえたら嬉しいです。
お気に入りを探しに、ぜひ一度いらしてください。
礼子さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!