ラ・ファリーヌ

子どもからお年寄りまで、誰もが楽しめるパン屋さん
福士さん
ハード系パンを中心に洋菓子やジャムも展開しながら「毎日食べたくなる」「また明日来たくなる」そんなパン屋を目指しています。お客様の声から商品が生まれ、家族や仲間と協力して育ててきたこのお店は、まさに地域とともに成長してきた場所です。
これからも変わらず、誰かの食卓にやさしい彩りを添えられるよう、心を込めてパンを焼き続けていきます。
URL:InstagramMap:飲食
- カンパーニュ
- フランス仕込み
- 地元密着
Q.店名「ラ・ファリーヌ」に込められた意味を教えてください。
「ラ・ファリーヌ」という店名には「Une idée la farine」、「小麦粉に対する1つのアイディア」という意味が込められています。
由来の通り、小麦粉の使い方や組み合わせには特にこだわっています。
国産やフランス産、カナダ産など5〜6種類の粉を用途に応じて使い分けていて、ひき方や触り心地、香りまで含めて試行錯誤を重ねてきました。
たとえば、バゲットやカンパーニュのようなハード系パンには、石臼で粗くひいた粉を使うことで、香りや食感に深みが出ます。
逆に、プリンやスコーンなどの洋菓子系には、きめ細かくしっとりとした粉を選ぶことで食べやすさを大切にしています。
Q.粉の特徴を見極めてパンに活かす技術は、まさに長年の経験と感覚があってこそですね。
そうした技術の根底には、東京やフランスでの修行経験があるそうですが、その時の学びはどのように活かされていますか?
東京では10年間、そしてフランスでは2年間修行をしました。
どちらもパンの文化が深く、特にフランスではシェフが現地の方だったので、リアルな技術や感覚を学べたのが大きかったです。
ただ、そのまま持ってきても日本では受け入れられにくい部分もあるので、味や価格帯、素材の使い方などを地域に合わせてアレンジしています。
たとえばフランスには存在しない明太子パンやカレーパンなどは、鹿嶋の人たちに親しんでもらえるように生まれたパンです。


Q.それを踏まえて、なぜ鹿嶋市という場所でパン屋を開く決断をされたのでしょうか?
地元が鹿嶋ということもありますし、家族や仲間が近くにいるというのが大きかったですね。
フランスから帰国後、東京でやらないかという話もあったんですが、自分の資金でゼロから始めたかったという思いがありました。
地元なら支えてくれる人もいるし、少ない資金で少しずつやっていくには最適な場所だったんです。
今では、妹や近所の方々が店を手伝ってくれていて、本当に人とのつながりで成り立っているお店です。
Q.ハード系パン中心のラインナップにこだわっている理由について教えてください。
ハード系パンには、粉や発酵の奥深さが一番出るんです。
カンパーニュやバゲット、セイグルなど、素材の良さがストレートに伝わるので、自分がパン作りで大事にしている部分を最も表現できるジャンルですね。
東京での修行時代も、この3種類はパン屋の基本として必ず置かれていました。
鹿嶋のような地域でも、「田舎だから売れない」と思い込まず、実際に出してみるとしっかり反応がある。それが自信につながりました。

Q.初心者の方にもおすすめしたいハード系パンがあれば教えてください。
カンパーニュですね。ハード系パンの中でもクセが少なく、食事パンとしてもサンドとしても使いやすいので、初めての方には特におすすめです。
酸味や香ばしさが程よくあって、フランスらしさを感じてもらえるパンだと思います。
お店では天然酵母を使ったものをご用意していて、しっとりもちっとした食感があるので、ハード系の入口にはちょうどいいと思います。
Q.では、長年通ってくれている常連さんがリピートして買う人気のパンはなんですか?
スコーン、明太子パン、クロワッサン、この3つは特に人気です。
スコーンはシンプルな中にしっとりとした口当たりがあって、朝食やおやつにぴったり。
クロワッサンは見た目よりもしっとり感とコクを重視していて、アーモンドクリームを使ったクロワッサンダマンドも好評です。

Q.パン以外にシュークリームやジャムなどもあるそうですが、そうした商品を作る理由はどこにありますか?
もともとお菓子屋さんでも働いていた経験があるので、パンだけでなく洋菓子やジャムもやりたいという気持ちがありました。
特にシュークリームやプリンは、パンと一緒に買っていただける手軽さがあって、お客様の声から生まれた商品でもあります。
ジャムも5種類ほど展開していて、ブルーベリーは地元・つくばのものを使用するなど、素材選びにもこだわっています。
季節によっては潮来のイチジクを使った限定ジャムも登場しますよ。
Q.お菓子やジャムにもお客様の声が反映されているんですね。そうした地域密着の姿勢が、常連さんとの関係性にも現れていると感じました。お客様との嬉しいエピソードなどがあれば教えてください。
いちばん印象に残っているのは、あるお客様から手描きの絵をもらったことです。
施設に通われている方だったのですが、「いつもありがとう」と気持ちを込めて描いてくれた絵で、本当に嬉しかったですね。
あとは予約表を見るだけで、誰がどのパンを買うか想像できるくらい、常連さんとのつながりがあります。
子どもの頃から来てくれていたお客様が、今では大人になってまた来てくれるというのも嬉しいことですね。
Q.そんな「人と人」のつながりを感じられるラ・ファリーヌですが、初めて来るお客様におすすめしたい楽しみ方はありますか?
まずはクロワッサン、スコーン、そしてカンパーニュを試してみていただきたいです。
どれもラ・ファリーヌの個性が詰まったパンですし、季節によってはフルーツジャムと組み合わせて楽しむのもおすすめです。
クロワッサンダマンドは特に自信のある1品です。アーモンドクリームの風味が豊かで、パン屋としてだけでなく、洋菓子店としての要素も感じてもらえると思います。
Q.最後に、パン好き・スイーツ好きな読者に向けてメッセージをお願いします。
ラ・ファリーヌでは、子どもからお年寄りまで、どなたでも気軽に手に取っていただけるようなおいしいパンを意識して作っています。
日々の食卓をちょっと豊かに、ちょっと幸せにするような、そんなパンを目指しています。
サッカー観戦やお出かけのついでに、ぜひ立ち寄っていただけたら嬉しいです。
– お店のおすすめパン –
一押し商品のカンパーニュを購入しました!外はパリッと香ばしく、中はしっとりもちっとした食感で、噛むほどに小麦の風味が広がります。
シンプルながら奥深い味わいで、どんな食事にもよく合い、サンドイッチにもぴったり。朝食はもちろん、ワインのお供にも相性抜群です。
天然酵母の優しい酸味が後を引き、毎日でも食べたくなる味わい。ラ・ファリーヌさんらしさが詰まった、ぜひ一度試してほしいパンです!

福士さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!