鹿ノ子(かのこ)柔道クラブ

鹿ノ子(かのこ)柔道クラブ

柔道は「勝つ」だけじゃない、人を育てる場所

黒須隆雄

2022年に地域の子どもたちに柔道の楽しさと学びを届けるために設立されました。名前にはすべての子どもに門戸を開くという思いが込められています。目指すのは、勝敗を超えた「全人教育」。礼儀や協調性、困難に立ち向かう力、そして自立心を育てることを目的としています。
地域に支えられながら、ひとりひとりの子どもに真剣に向き合い、その成長を見守る。鹿ノ子柔道クラブは、柔道を通して、子どもたちに「真剣になれる居場所」を届けることを目指しています。

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  • 全人教育
  • 自立心
  • 柔道クラブ

Q.まずはクラブを立ち上げられた背景や経緯、名前の由来をお聞かせください。

 2022年12月に「鹿ノ子柔道クラブ」を設立しました。地域にある柔道団体は5〜6ほどありますが、もっと子どもたちに開かれたクラブがほしい、地元の子どもたちに、柔道の場をより身近に感じてほしいと思ったのがきっかけです。
地域名の鹿行から「鹿」、子どもの「子」を取り、「鹿ノ子柔道クラブ」と名付けました。

私自身は小学校1年生の終わりから柔道を始め、高校まで続けました。
大学や実業団での経験はありませんので、正直、自分のような経歴でクラブを作っていいのかという迷いもあったんです。
ただ、柔道をもっと続けたい、強くなりたいという子どもたちの声に背中を押され、一念発起して立ち上げたんです。

Q.「全人教育」という理念を掲げている理由についても教えてください。

尊敬する医師が「全人教育」という考えを大切にされていて、そこから強く影響を受けました。
柔道はただ強くなるための競技ではなく、人としてどう生きるかを学べる場です。
誰かと競ったり、困難に立ち向かったりする経験を経て、柔道を通じた人間形成に力を入れたいと考えています。

Q.理念に基づいた教育を通して、子どもたちにどのように育ってほしいと考えていますか?

今の時代、就職の不安やいじめ、情報の多さなど、子どもたちが抱える課題は多いと感じています。
そんな中で、周りに流されるのではなく、自分で考え、自分の意思で行動できる力を身につけてほしい。
勝ち負けだけにこだわるのではなく、困難に立ち向かえる強い心を育てることを大切にしています。

Q.そういった思いの背景を教えていただけますか?

以前別の団体で指導をしていた頃、自分の考える柔道と合わず、柔道から離れようと考えた時期がありました。そんなとき、息子が「柔道をやってみたい」と言ってくれたんです。
それをきっかけに、改めて柔道と向き合うことができました。
他の子どもたちの人生にも関わることになるため、責任の重さを感じながらも、真剣に取り組む覚悟を持って設立に至りました。

Q.年齢やレベルに応じた工夫があれば教えてください。

4歳から中学生まで、幅広い年代の子たちが通ってくれています。
未就学児や小学校低学年の子どもには、まずは「楽しむこと」を重視しています。ラダーやミニハードルなどを取り入れた運動を通して、自然と体力や運動能力が身につくようにすることが目標です。

一方で、モチベーションの高い子には少しずつ課題を与え、挑戦の機会を設けるようにしています。
練習は厳しさもありますが、その中で自分の壁を越える経験をしてもらいたいです。

Q.中学校の部活動の代替としても機能されていると伺いましたが、地域移行の取り組みについても教えてください。

私たちの拠点である鹿島市立鹿野中学校には、現在柔道部がありません。
柔道に触れた子どもたちが継続できず、他の競技に流れてしまうのは非常にもったいないと感じていました。
そのため、今年度から地域移行制度に登録し、中体連の大会にも出場できる体制を整えました。柔道を続けたい子が続けられる環境づくりを進めています。

Q.習い事として通う子どもたちへの接し方に関する考えも教えてください。

子どもたちの中には、塾や他の習い事と並行して通っている子も多くいます。全員が柔道で頂点を目指しているわけではありませんし、それで構わないと思っています。
途中でやめることがあっても、柔道を通じて得た経験が、学校生活や将来に生かされるのであれば、それが柔道の役割のひとつだと考えています。

Q.実際に保護者から届いた印象的なエピソードなどがあれば教えてください。

卒団した中学3年生の保護者の方から、「柔道をやっていなかったらどうなっていたかわからない」とメッセージをいただきました。
それだけ柔道がその子にとって大きな意味を持っていたのだと思います。真剣に打ち込める場を提供できたことが、何より嬉しかったです。
そうした声は、私たちの活動を続ける原動力になっています。

Q.最後に、鹿ノ子柔道クラブに興味を持っている方へメッセージをお願いします。

強くなりたい子、柔道に少しでも興味がある子、どんな思いでも大歓迎です。
私たちは、どんな子どもにも真剣に向き合います。自分の気持ちを表現しづらい今の時代だからこそ、その思いを受け止める場所が必要だと思っています。
まずは気軽にお問い合わせいただければ嬉しいです。

黒須隆雄さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!

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