源次郎ポテト渋谷農園

源次郎ポテト渋谷農園

渋谷三代目が育てる、18種の個性派芋

渋谷さん

三代にわたりさつまいもと向き合ってきた農家です。地域に根差した家族経営で、18種類のさつまいもを土からこだわって育てています。
味わいも食感も多様なさつまいもを通じて、「食べ比べる楽しさ」を感じてほしい。個性豊かな芋たちを、1人ひとりの「おいしい記憶」として届けたい。そんな思いで日々土を耕し、芋を焼いています。

URL:InstagramMap:暮らす

  • 甘味工房 芋っ子源次郎
  • 源次郎ポテト
  • 焼き芋

Q.どういったきっかけで農業の世界に入られたんでしょうか?

後から考えると、農業の世界に入ったのは祖母の影響が大きかったんだと思うんですが、正直、農業を始めた当初は「当たり前にやるもんだ」と思って疑問すらなかったんです。
でも、実際にやってみると想像以上に自由で、誰にも指図されずに自分のペースで仕事ができるのが心地よかったですね。

自然相手の仕事なので、うまくいかないこともあるけれど、その分だけうまくいったときの喜びは大きい。自分の工夫や努力が味に表れるところが面白いんです。

Q.自由な働き方の中で、現在の「さつまいも中心の農業スタイル」にたどり着いた理由はなんだったのでしょうか?

以前は葉タバコもやってたんですが、売り先が1箇所しかなく、評価も人の目次第で安定しなかったんですよ。努力が報われない感覚がありました。
それに対してさつまいもは、多少見た目が悪くても近所の人たちにあげると喜ばれるし、交流が生まれる。自然と「これをやっていこう」と比重が高まっていきましたね。

Q.人とのつながりという観点で、地域社会との関係はどのように築かれてきたのでしょうか?

この辺りは昔から「顔が見える農業」が当たり前だったんです。ご近所さん同士、なにを作ってるかも知ってます。
たとえば、さつまいもがちょっと規格外だったとしても、それを配ると「ありがとう」「おいしかった」って言ってもらえる。それがすごく嬉しいし、やってて意味を感じるんですよね。

今は一匹狼でやってるけど、昔ながらの助け合いや信頼関係はずっと心にあるし、それが農業の根っこだと思ってます。

Q.個人で活動するという選択に至った経緯を教えてください。

もともとは農協にも所属して、地域の出荷組合にも顔を出してたんです。
でもね、手数料が高かったり、評価の基準があいまいだったりで「これはおかしい」と思うようになったんです。

自分で芋の質にこだわって作っているのに、誰かに値段を決められるのが納得できなかったんですよ。それなら、自分で売り先を探して、自分の責任で届けたほうがいい。
たまたま信頼できる業者の友人がいて「全部引き取るよ」って言ってくれたことも大きかったです。それがなければ踏み切れなかったですね。

Q.「源次郎ポテト」で育てている18種のさつまいもについて、特におすすめの品種や特徴を教えてください。

人気なのはやっぱり「紅はるか」ですね。安定した甘さで万人受けします。

「紅あずま」は栗っぽいホクホク系、「ひめあやか」は賞も取った品種で甘さとバランスが抜群。
「きみまろこ」は白い外観に中が鮮やかな黄色で見た目も映える。「しろほろり」は珍しく全体が白くて、ホクホク系。
好みは人それぞれなので、ぜひいろんな種類を食べ比べてみてほしいですね。

Q.それぞれの品種に合う食べ方や調理法など、こだわっているポイントはありますか?

どの芋でも、1番のおすすめはやっぱり焼き芋ですね。芋そのものの甘みや香りが一番よく出る食べ方だと思います。

ただ、スイーツに向いている芋や干し芋に適した芋もあります。たとえば「ひめあやか」は焼いてもスイーツにしてもおいしい。
「しろほろり」は焼いてもホクホク感が残るので好みが分かれるかも。いずれにせよ、品種と調理法の相性を探るのも楽しみの1つです。

Q.「甘味工房 芋っ子源次郎」で提供されているスイーツについても教えてください。

「芋っ子源次郎」は娘の旦那が立ち上げたお店で、彼はもともとパティシエなんです。うちのさつまいもを活かしたスイーツを作りたくて始めました。
代表的なのはモンブランやシュークリーム。紅はるかをベースに、他の芋もブレンドして風味に深みを出しています。
すべて手作りなので大量生産はできませんが、その分だけ芋本来の甘さと香りを活かした贅沢な味わいに仕上がっています。

Q.手作りのスイーツに使われる芋も、渋谷さんの農園で育てたものなのですね。今後はその芋をどう広げていきたいとお考えですか?

これからは「農家が作る最高級の焼き芋」を目指していきたいと思っています。1本1000円以上でも価値があると思えるような、糖度・形・色すべてにこだわった芋ですね。
高級フルーツと同じように、特別な贈り物やご褒美として選ばれるような芋を作りたい。そのためには少量でも良質な芋を作るための環境づくりや販路開拓が今後の課題です。

Q.渋谷さんが今後目指す地域とのつながりや展望について教えてください。

地域に根ざしながらも、新しい価値を発信していきたい。行方市の土地はさつまいもに適しているし、気候も味方してくれる。だからこそ、もっと魅力を発信して、「行方の芋=間違いない」という認知を広げていけたらと思っています。

Q.最後に、これから「源次郎ポテト」を初めて食べる読者へ一言お願いします。

まずは、いろんな芋を試してみてほしいです。どれも味も食感も違うので、食べ比べて自分好みの芋を見つける楽しさを感じてほしいですね。
スーパーに並んでいる芋とはまったく違う、農家だからこそできる芋の世界があります。
疑問を持たず、まずは1口。そこからこの芋の面白さが伝われば嬉しいですね。

– 焼き芋好きに届けたい、この1本 –

シルクスイートの焼き芋を頂きました!ほっくりとした食感に自然な甘みがじんわり広がって、素材の力をそのまま感じられる味わいです。
余計な加工がなく、芋そのものの良さが際立っていて、まさに「シンプルなのに贅沢」。寒い日にはもちろん、常温でもほっとするおいしさで、小腹がすいたときのおやつにもぴったりです。
食べ比べて自分好みの1本を見つけてみてください!

渋谷さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!

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