DEER BOWS skate club

地元と世界をつなぐ、スケーターの拠点
謙太郎さん
「誰もが楽しめる場所」をテーマに、年齢や経験に関係なくスケートボードを楽しめる屋内施設として誕生しました。プロサーファーである代表が、海に入れない冬の時期にも横乗りの感覚を大切にしたいという思いからスタート。
設計には全国のランプを手がけたビルダーを迎え、安心して滑れる空間を実現しました。この場所で過ごす時間が、挑戦する力や仲間とのつながり、自分の成長につながることを願って運営しています。
URL:InstagramMap:暮らす
- 横滑りカルチャー
- 屋内スケートパーク
- スケートボード
Q.DEER BOWS skate clubを開業されたきっかけを教えてください。
もともと僕はプロサーファーで、サーフィンを通じて鹿嶋に移住しました。でも、このエリアは冬になると北風が強く、海に入れない時期があるんです。
そんな時に、屋内でスケートボードのトレーニングができる場所があれば、サーフィンや横乗り系のスポーツの練習にもなるし、地元の人たちも楽しめるんじゃないかと考えました。
実は10年くらい前からずっとスケートパークを作りたいという思いがあったので、やっと実現できました。
Q.長年の夢を叶えた中で「DEER BOWS」という名前にはどんな意味が込められているのでしょうか?
「deer」は鹿、「bows」はお辞儀の意味です。鹿嶋という土地にちなんで鹿を取り入れました。「お辞儀」は、日本らしい礼儀を大切にする文化を表しています。
パークの入り口をくぐる時も、自然と頭を下げるような造りになっていて、それもこの名前の由来の1つなんです。
鹿が頭を下げて迎えてくれる、そんなイメージを込めました。


Q.場所そのものがメッセージになっているんですね。鹿嶋市・平井海岸を選んだ理由はなんだったのでしょうか?
鹿嶋は自然がとても豊かで、鹿島神宮や美しい海岸も近くにあります。実際に住んでみて、都会では味わえない開放感や、スポーツに特化した町としての雰囲気が魅力でした。
アントラーズのホームでもあるし、海と山、両方の自然を感じながら生活できるのは、このエリアならではだと思っています。
Q.自然とスポーツが共存する、このクラブのコンセプトについて教えてください。
コンセプトは「誰もが楽しめる場所」です。
サーフィンでもスケートでも、初心者って最初は敷居が高く感じると思うんです。
でも、誰もが最初は初心者ですし、「できないから楽しい」「うまくなっていくのが面白い」という感覚を共有できる場所にしたかった。
上級者だけでなく、年長さんから60代の方まで通ってくれているのが、まさにその証拠だと思っています。

Q.幅広い年代が集うパークの設計で、特にこだわったポイントはどこになりますか?
設計は、全国でスケートランプやイベントを手掛けていた木下さんというビルダーにお願いしました。この200㎡の屋内空間をどう活かすかを、半年かけてじっくり一緒に考えました。
あとは友人がものづくりのプロなので、壁を張ってもらったり、ちょっとしたDIYをお願いしたんです。木下さんの最後の作品でもあり、僕にとっても特別な場所になっています。
Q.印象に残っている利用者さんとのエピソードがあれば教えてください。
鹿嶋に「ボブズスケーター」というパークを作っていた方がいらっしゃって、彼が膵臓がんを患っていた時、息子さんにスケートを教えるためにうちのパークに来てくれたんです。
その後、彼は亡くなってしまったんですが、その息子さんがうちで滑ってくれた時は、本当にうれしかったし、この場所があってよかったと心から思いましたね。
ほかにも、ここで滑っていた子が大会で優勝したり、そういう姿にいつも勇気をもらっています。

Q.スクールやイベントではどのような取り組みをされているのでしょうか?
スクールは毎週水曜と金曜の夜に行っています。
初心者でも入りやすいように基礎からじっくり教えますし、ヘルメットやプロテクターの着用を推奨して安全面にも配慮しています。
また、年1回の大会や、妻がインドで修行したヨガを取り入れたダンスヨガのワークショップも開催していて、単なるスケートパークではなく「カルチャーが交差する場所」として広がっています。
Q.スケートボードだけでなく、ヨガやワークショップも展開されているとのことですが、色んなジャンルを提供する姿勢はどこから来ているのでしょうか?
僕が17歳からサーフィンをやっていることが大きいですね。サーフィン、スケートボード、スノーボード、全部「横滑り」のカルチャーなんです。
スケートは海に入れない時でも練習になるし、体幹も鍛えられる。
妻もヨガインストラクターとして活動してきたので、体と心のバランスを整えるという面で相性がいいと感じています。
DEER BOWSはそうした文化の交差点でありたいと思っています。
Q.では最後に、これからスケートやサーフィンを始めたい人に向けてメッセージをお願いします。
誰でも最初は初心者です。でも、きっかけさえあれば、楽しく続けられるスポーツです。
うちのスクールでは経験豊富な先生たちがコツを教えてくれるので、効率よく習得できますし、なにより楽しむことを大切にしています。
興味がある方は、ぜひ気軽に問い合わせてください。
謙太郎さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!