花屋cucca
お花と会話が生まれる場所「cucca」
和泉さん
花屋cuccaは、気軽に立ち寄れる街の花屋として、季節の花や枝物を通じて日常に彩りを届けています。お客様の気持ちに寄り添い、時には仲直りのきっかけや心を和ませる存在になれるように、一束一束に思いを込めています。花だけでなく、人と人とがつながれる場所として、地域に根ざした花屋を目指していきます。
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- 花束
- ドライフラワー
- オランダ花瓶
Q.まずはじめに、「cucca」を始められたきっかけを教えてください。
小さい頃から花は好きでしたが、特別に深く関わっていたわけではなかったんです。
震災のあとに、お花をいける先生から「教材が余っているからやってみない?」と声をかけられて挑戦したのが始まりでした。
そのとき、40分間ずっと無になれる体験をして、生まれて初めて心がすっと落ち着いた感覚がありました。その達成感が忘れられなくて、自然と花の道に進むようになったんです。
その後は講師として教える立場も経験し、そこから「自分で花屋をやってみよう」と思うようになりました。
Q.無になれる感覚がきっかけだったんですね。その前は、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。
お花を始める前は、本当にいろいろなことをしてきました。
バーをやったり、古着屋さんや子ども服のお店をやったり、スタジオを運営したこともあります。全然お花と関係のないことばかりですが、どれも自分なりに一生懸命やってきました。
そうした経験の積み重ねが、今のお店の雰囲気や接客のスタイルにもつながっているように思います。


Q.お店の名前「cucca」にはどんな意味があるのですか。
もともとはフィンランド語で「花」を意味する「kukka」から来ています。
ただ「k」が3つ並んでしまって「3K」みたいになるのは縁起が悪いかなと。それで「c」に変えて「cucca」にしました。
意味をなくしたら逆に丸くて可愛らしく響きがよく、覚えてもらいやすい名前になったんです。意味を込めすぎなかったのが、かえって自分らしくて気に入っています。
Q.神栖市知手にお店を構えられたのは、どんなご縁があったのでしょうか。
この場所は、友人が隣でバーをしていたことがきっかけでした。その時の大家さんと私も仲良くしていただいていて、「ここ空いてるけどどう?」と声をかけてもらったんです。
縁がつながって自然にこの場所に決まりました。
今思えば、地元の方との関係や友人とのつながりがあってこその出会いでしたね。

Q.普段来られるお客様は、どんなシーンでお花を買っていかれることが多いですか。
1番多いのは、男性のお客様が奥さんや彼女に花を贈るときです。
誕生日や記念日ではなくても、「喧嘩したから」とか「ちょっと気持ちを伝えたいから」という理由で来られる方も多いんですよ。
日本では男性が花を贈る習慣があまりないと思っていたので、意外に多くて驚きました。お花が仲直りのきっかけになったり、笑顔につながったりするのを見ると、とても嬉しくなります。
Q.人の気持ちをつなぐ場面に立ち会えるのは素敵ですね。お花の仕入れでは、特にこだわっている点はありますか。
季節によって持ちが良い花とそうでない花があるんです。例えば夏はバラが弱いので、品質の良いものを定期的に仕入れています。
毎週30本ほど入れているのですが、自分で選べない分、変わった品種や珍しいバラが入ってきて、結果的にお客様にも新鮮に感じてもらえます。
あとは枝物や葉物が人気で、特にドウダンツツジは2〜3ヶ月持つので喜ばれます。ユーカリやパステルグラスなど、ちょっと個性的なグリーンも好まれますね。

Q.花束やアレンジを作る際に、特に意識していることはありますか。
1番大事にしているのは「完成したときの喜んでくれる顔を思い浮かべること」です。
予算を少しオーバーしても「この花は絶対に入れたい」と思ったら、つい足してしまうこともあります。例えるなら、料理でお砂糖をもうひとさじ入れちゃうような感覚です。
お客様の気持ちに寄り添いながら、その時々で最高の一束を作りたいと思っています。
Q.接客で特に心がけていることはなんでしょうか。
私はあまりかしこまらず、気さくに話すようにしています。お客様も動物好きな方が多く、ワンちゃんのお供え花を頼まれることもあります。
そこから自然にペットや暮らしの話で盛り上がったりしますね。
あまり飾らずに正直に話すので、夢がないと思われるかもしれませんが、むしろ「気軽に話せる花屋」として受け止めてもらえているのかなと思います。
Q.今後チャレンジしてみたいことはありますか。
隣のスペースが空いているので、そこでオランダの花瓶を揃えて販売してみたいんです。
市場でしか手に入らないような職人さんの手仕事による花瓶で、すごくきれいなものがたくさんあります。
花と花瓶を合わせて楽しんでもらえる場にできたらいいなと考えています。
Q.最後に、この記事を読んで初めて「cucca」を知った方へ、一言メッセージをお願いします。
よく「入りにくい」と言われることもありますが、本当に気軽に入ってきてもらえたら嬉しいです。怪しいお店ではなく、ちゃんとした花屋ですから(笑)。
高田純次さんみたいな性格だと言われることもありますが、気取らずに楽しくやっています。
まずは花を見て、空間を楽しんでもらえれば十分ですので、ぜひふらっと遊びに来てください。
和泉さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!