ばってら 福
押し寿司文化を鹿嶋で楽しむ、本格ばってら専門店
榎本さん
関西出身の方々が多く住む鹿嶋の地で、本場のばってらを気軽に楽しめるお店です。伝統の味を守りながら、関東では珍しいばってらを誰もが手に取れる価格で提供しています。
昔から馴染みのある場所で、地元の人がふらっと寄れて、気軽に会話を楽しめる。そんな温かいお店でありたいと思っています。
URL：InstagramMap：飲食
- ばってら
- 手作り
- 地域密着
Q.「ばってら 福」という店名の由来や込められた思いを教えてください。
初代の愛犬「福」が亡くなったとき、とても寂しくて、ずっと犬を探していました。
そんな中、ペットショップで出会ったのが「大福」。この子がいたのは初代・福の命日で、しかもデビュー2時間後という運命的なタイミングでした。
お店をやると決めたとき「福」という名前を残したくて「ばってら 福」と名付けました。鹿島神宮の山道にあるお店なので、縁起もいいかなと思っています。
Q.お店を開くことになった経緯を教えてください。
鹿嶋市役所に14年間勤めていて、最後は出納室で市の財政管理をしていました。
そんな中「チャレンジショップ制度」という鹿島神宮周辺でお店を開く人を支援する制度を知り、話を聞きに行ったら「ここでお店やれば？」とトントン拍子に話が進んでしまって。
地域が寂れていくのが悲しくて「何かできないかな」と思っていたので、これもいい機会かなと思い、半年でお店をオープンしました。
Q.ばってら専門店を開こうと思ったきっかけは何ですか？
鹿嶋には、製鉄所ができたときに関西方面から移り住んだ方が多く、本場のばってらを懐かしく思う人が多いんです。
義母も和歌山出身で、昔からばってらを作っていました。ばってらは作るのに3日かかるので、義母も年齢とともに作るのが大変になり「私が作るから」と言って作り方を習い始めました。
そんな中、主人に「売れば？」と言われ、市役所の仕事も飽きてきていたのと、先ほどお話した支援制度もあって思い切ってお店を始めました。
Q.ばってらに使う食材へのこだわりを教えてください。
お米は鹿嶋市の学校給食にも使われる地元産のコシヒカリを使用。
鯖は太平洋側と日本海側で脂のノリが違い、日本海側の方が脂がちょうどよく身が締まりやすいので、銚子で水揚げされた日本海側産のものを使っています。
ばってらに欠かせない白板昆布も、関西の業者さんから特別に分けてもらっていますが、職人さんが減っていることもあり、入手がどんどん難しくなっています。
Q.「ばってら 福」ならではの特徴や魅力を教えてください。
ばってらは関西の食べ物なので、関東では馴染みが薄いんです。でも、鹿嶋には関西出身の方が多く、「本場のばってらを食べたくてもなかなか手に入らない」という声を聞いて、手の届く価格で提供したいと思いました。
実は、ばってらはラーメンと相性がいいんです。豚骨や醤油の濃いラーメンと合わせると、お酢の効果で味が引き立ちます。
お酒とも合いますが、ぜひラーメンと一緒に試してみてほしいですね。
Q.お客様との印象的なエピソードがあれば教えてください。
福島から来られる常連さんがいます。最初はお友達と3人で来店されたんですが、それから1人で来てくれるようになりました。
「こんなにおいしいお寿司はない」と言ってくださり、それが本当に嬉しかったですね。
息子さんが柏から帰省するたびに、「ばってらとタコを持って帰るよ」と言って買いに来てくださるんです。お客様とのこうした繋がりが、お店をやっていて一番のやりがいですね。
Q.今後、お店をどのようにしていきたいと考えていますか？
3月から、元喫茶店だった店舗に移転します。広くなるので、地元の高齢者の方々がふらっと立ち寄れるような場所にしたいと思っています。
また、市場には出回らないけど美味しいお野菜などを安く販売できれば、買い物難民の助けにもなるかなと。
昔の味を大事にしつつ、地域の人が集まれる場になればと思っています。
Q.これから「ばってら 福」に訪れるお客様へ、一言メッセージをお願いします。
お店をやってみて1番感じたのは、人との繋がりの大切さです。
気軽に立ち寄れて、おしゃべりを楽しめる、そんな場所にしたいと思っています。
「ばってらを食べたいな」「ちょっと寄ってみようかな」と思ったときに、ふらっと来てもらえたら嬉しいです。お店が移転しても、変わらずお待ちしていますね！
– お店のおすすめ商品をいただきました！ –
「ばってら 福」のばってらは、しっかり締まった鯖とふんわりとした酢飯のバランスが絶妙。酢の加減がほどよく、昆布の旨みがじんわりと広がり、噛むほどに味わい深さを感じます。最後まで飽きることなく楽しめる上品な仕上がりで、お酒のお供にもぴったり。
おすすめしていただいたラーメンと一緒に食べると、濃いスープとの相乗効果でさらに美味しさが引き立ちました。ついつい手が伸びてしまう美味しさです。
榎本さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました！