アムレ トリミングスクール

確かな技術の根っこに、やさしさを
相原浩子さん
アムレ トリミングスクールは、ワンちゃんが「また来たい」と感じる体験をつくるプロを育てます。最初の遊ぶ時間、丁寧なカウンセリング、負担の少ない施術手順など、不安を与えないための技術を実習中心のカリキュラムで学ぶことができます。
地域の学校・獣医・24時間医療・保護団体とつながり、学びの入口と安心のネットワークを広げてきました。私たちが目指すのは、技術と同じだけ、ご家族の思いに寄り添えるトリマーの育成です。
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- トリミングスクール
- 実習中心
- 地域連携
Q.まずは、アムレ トリミングスクールを立ち上げた背景についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
もともとはブリーダーから始まり、約30年にわたり繁殖や販売に携わってきました。その中で、日々のケアがワンちゃんの心身に与える影響の大きさを実感し、常に清潔で負担の少ないお手入れを届けたいという思いが強くなったのです。
そこから「きれいにするだけ」ではなく、「また来たい」と思ってもらえる体験をつくることを目指し、スクールを立ち上げました。
最初に遊ぶ時間や丁寧なカウンセリングを長めに取り、落ち着いてから施術に入ることで心の負担を下げることを大切にしています。
さらに、トリマーをしている親戚の協力も得ながら、現場で通用する学びを提供できるスクールへと育ててきました。
Q.カリキュラムの全体像を教えていただけますか。差し支えなければ具体例もお願いします。
スクールでは「犬にやさしい段取り」を学んでもらっています。座学は最小限に整理し、実習を中心に組んでいるんです。
まずは模型や道具の扱いから入り、次に性格や年齢が異なるワンちゃんへのアプローチを実際に体験します。
老犬や繊細な子には施術時間を短く区切る、無理に進めず休憩をはさむなど、負担を減らす方法を身体で覚えていきます。初回対応の導線づくり、遊ぶ時間、カウンセリングの聞き方までを含めて、トータルで身につけてもらいます。


Q.なぜ実習の比重をここまで高くしているのか、狙いや現場での学び方の工夫をもう少し教えてください。
テキストだけだと、どうしてもマニュアル通りのやり方になってしまうからです。
マニュアル通りでは応用がきかず、幅広い知識や技術が身につきにくいんです。実習を重ねることで、一頭一頭に合わせた工夫や判断力が育ち、より多くのカットや対応ができるようになっていきます。
現場でしか気づけない部分も多いので、まずは実際に手を動かし、失敗や成功を体感しながら覚えることを大切にしています。こうした積み重ねが、その後の成長や自信につながっていくと考えています。
Q.スクール外の学びの場づくりがあれば、具定例も合わせて教えてください
中学校でも授業を行っているのですが、中学校には実際のワンちゃんを連れて行けないため、模型を持参してプロのカット手順を見せる出前授業を行っています。そうした体験から興味を持った子が、高校生になると職場体験に来て、そのままインターンや就職へと進むケースも多いです。
さらに、地域の獣医師の巡回や千葉の24時間対応の医療センターとの連携もあり、健康面の学びを深める環境も整えています。
地域の教育と医療の両面から支えられていることが、スクールの大きな強みだと感じています。

Q.学校連携や医療連携まで広げて学びの導線をつくっていらっしゃるのですね。サロン運営の現場とスクールの授業で、特に大切にしていることはなんでしょうか。
1番大切にしているのは、ワンちゃんが「怖くなかった」「また来たい」と思ってくれることです。嫌な場所だと感じさせてしまうと、どんなにきれいに仕上げても意味がありません。
そこで、他のサロンよりも時間を長めにとり、最初に遊ぶ時間を設けて緊張をほぐしています。
その後もカウンセリングの時間をしっかり確保し、施術の際もワンちゃんに負担がかからないよう配慮しています。
大切なのは通わせたくなる体験を提供すること。こうした積み重ねで、安心して通える体験をつくることを意識しているんです。
Q.生徒さんへの寄り添いについて、日々の工夫や具体的な指導スタイルを教えてください。
放置はしません。毎朝まず「昨日わからなかった点は?」と1人ずつ声をかけ、授業中も講師側からこまめに巡回して小さな疑問を拾っています。
大人数の前で手を挙げるのは勇気がいるので、先生の方から歩み寄るのが基本です。そうすることで生徒1人ひとりの不安やつまずきを早めに解消でき、安心して学べる環境を保っています。
さらに、声をかけ合うことで「自分を見てもらえている」という安心感が生まれ、それが成長への意欲にもつながっています。

Q.今後、スクールとして挑戦していきたいことや、地域に広げたい価値を教えてください。
これからは規模を広げ、より多くの地域の方や若い世代がトリマーを目指せる環境にしていきたいです。
ワンちゃんを大切に扱い、ご家族の思いをしっかり理解できるトリマーを育成することを一番に考えています。
大切な家族を安心して預けてもらえる存在を増やすことが、地域全体の幸せにもつながると感じているので、現場で通用する技術と、心に寄り添う姿勢の両方をしっかり伝えていきたいと思っています。
Q.最後に、この記事を読んで「学んでみたい」と感じた方へメッセージをお願いします。
トリマーは体力も気力も必要で、ときにお客様の考えと向き合う場面もあります。でも、現場で学び合い乗り越えるほど、一流に近づきます。
長く在籍する先輩が支え、新しい機材やシャンプーなどの環境も整っています。
まずは体験からで大丈夫です。実際にやってみることで、自分にもできると感じてもらえるはずです。
ワンちゃんが「また来たい」と感じる技術と心を、一緒に育てていきましょう。
相原浩子さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!