発酵教室・麹と暮らす

Q.「麹と暮らす」という教室名にはどんな意味が込められているのでしょうか？

「発酵と暮らし」ではなく「麹と暮らす」という名前にしたのは、発酵がもっと身近な存在として、日々の暮らしに自然と溶け込んでほしいと思ったからです。
発酵は特別ではなく、台所に立つたびにそばにあるような、そんな日常の一部であってほしいと思っております。

家族の一員のように当たり前にそこにいる、そんな存在として麹と共に暮らす感覚を伝えたくて、この名前にしました。

Q.そういった考えに至ったのは、どんなきっかけがあったのでしょうか？

小さい頃から祖父母と一緒に暮らしていて、手作り味噌やぬか床が身近にあったんです。何気ない日常の中に、発酵のある豊かな暮らしがありました。
その経験が私の原点で、今思えばとても大きな転機でした。そこから「日本の伝統文化を次世代につなぎたい」という気持ちも強くなって、発酵教室を開くことになりました。

Q.「手軽に・身近に」という点ですが、実際に教室ではどのような内容を教えているのでしょうか？

「麹の塩」「醤油」「甘酒」など、家庭で使いやすい調味料づくりが中心です。単に作るだけではなくて、「なぜこうなるのか」という座学もしっかりお伝えしています。
季節ごとのテーマもあって、冬は麹キムチ、春夏はぬか漬けなどを扱っています。主婦の方が多いので、おうちごはんに役立つ内容にしているんですよ。

Q.生徒さんたちの反応で特に印象に残っているエピソードはありますか？

たくさんありますが、特に嬉しかったのは「野菜嫌いの子どもが、ぬか漬けのきゅうりだけは食べるようになった」というお話です。他にも「ご主人に料理がうまくなったねって褒められた」という方もいました。
発酵は体に良いというイメージが強いですが、実際に味も変わるので、家族の反応が目に見えて変わるのが楽しいんですよ。

Q.家族の反応は取り組むモチベーションになりますね。発酵を学びたい初心者の方には、まずどんなことを伝えたいですか？

「発酵ってむずかしそう」と思っている方こそ、ぜひ来ていただきたいです。
見えないけれど確かにそこにいる微生物たちと一緒に、食材がゆっくりと変化していく。その変化を育てることが、なにより面白くて。
しかも体にも肌にもメンタルにも良いんです。腸は第二の脳と言われていて、発酵はその腸の調子を整えてくれるので、心まで明るくなっていきます。

Q.今後の活動として考えている展開について教えてください。

いずれは、塩麹や麹チョコなどの販売もしていきたいと思っています。そして夢は「発酵カフェ」を開くことです。
今は自宅レッスンが中心ですが、コモルモさんやハーバルガイドさんのスペースをお借りして、出張レッスンもしています。
いずれはマルシェなどのイベントにも積極的に参加して、もっと地域とつながる発酵活動を広げていきたいです。

Q.地域とのつながりを大切にしているからこそ、鹿嶋という場所で教室を開かれたんですね。なぜこの土地を選ばれたのでしょうか？

もともと地元が隣町で、結婚して鹿嶋に住むようになったことがきっかけです。
でもここも私にとっては地元です。潮来は発酵文化が根づいている地域ですが、鹿嶋ではまだあまり広がっていないんです。
だからこそ、私たち世代から鹿嶋にも発酵を根づかせていけたらと思っています。

Q.最後に、「麹と暮らす」に興味を持った方に向けてメッセージをお願いします。

発酵は決して難しいものではありません。むしろ、忙しい毎日を支えてくれる存在です。
料理を簡単においしくしたい方、家族の健康を気づかいたい方、ちょっと息抜きがしたい方。どんな方でも気軽に参加していただける教室です。
「こんなに楽しいんだ！」と感じていただけると思いますので、ぜひ一度遊びに来てください。

– 発酵の力で生まれたスイーツをいただきました！  –

試食させていただいたチョコレートは、みりんと甘酒で作られたとは思えないほどコクがあり、やさしい甘さが印象的でした。
お砂糖を使っていないのに、しっかりとした満足感があり、後味もすっきり。
からだにやさしく、でもしっかりおいしい。そんな新しい発酵スイーツの魅力を感じました。

石崎美智子さん、本日は素晴らしいお話をありがとうございました！