もも焼きJAPAN

「おまかせ」で始まる、あなたのための1皿
おやじ(つっちー)
地元茨城に根ざしつつ、宮崎の食文化を届ける「飯屋」として、日々の営業を続けています。和食の道を30年歩んできた店主・おやじが、自ら買い付け、仕込み、提供まで行う料理の数々は、まさに一期一会の一皿。
決して口数は多くないけれど、その分、皿と酒に込めた熱は確か。常連が常連を呼ぶ、静かで心地よい空間がここにあります。
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- もも焼き
- 日本酒
- 日向鶏
Q.料理の道に進んだきっかけについて教えてください。
小さい頃から家族みんなで料理をすることが多くて、料理って1人で完結するものじゃなく、誰かのために作るものって感覚が自然と身についていました。
今のスタイルも目の前のお客さんに合わせて、その人のためだけの料理を作るというのが基本になっています。
皿洗いから始まって、誰かの手伝いをするところから育ったので、今もそういう姿勢で厨房に立ってますね。
Q.特に印象に残っている常連さんとのエピソードはありますか?
そうですね、ある常連さんが毎週土曜に泊まりがけで来てくれるんです。その人が来る週は、その方の好みを考えて買い付けから始めてます。
お酒もその人が好きそうな銘柄を多めに仕入れたりして。その人が「親父、これが楽しみだからまた来るよ」って言ってくれると、やっぱり嬉しいですよね。
ああ、料理やってて良かったなって。


Q.お客さんのために仕入れまで変えるというスタイルはすごいですね。そのスタイルが生まれた背景には、どんな経験や考えがあるのでしょうか?
特別なきっかけっていうより、料理ってそういうもんだと思ってるんです。
昔、旅館で働いてたときに、お客さんのリクエストに応えるために裏メニューを作ったことがあって、それがすごく喜ばれたんですよ。
それが今の「お任せ」ってスタイルにつながっている気がします。気分次第のメニューって、実は1番その人に合った料理を出せるから楽しいですね。
Q.お任せ料理以外で、これだけはうちに来たら食べてほしいという名物料理は何ですか?
「もも焼き」と「チキン南蛮」ですね。
日向鶏を使ってるんですけど、この親鳥の炭火焼きはこの辺じゃなかなか食べられないと思います。
宮崎の味をそのまま持ってきてるので、特に九州出身の出張のお客さんから「懐かしい味だ」って言ってもらえることが多いです。もちろん、一見さんにもおすすめしてますよ。

Q.宮崎にルーツがないにもかかわらず、宮崎料理を取り入れたのはなぜですか?
本当に偶然なんです。前の店の社長が宮崎の人と仲良くなって、仕入れルートや情報を教えてもらったのがきっかけですね。自分がやりたいというより、会社が決めた方向性でした。
でも、やるなら徹底的にって思って、今では自分でもこだわりを持ってやってます。
実はまだ宮崎に行ったことがないので、近いうちに足を運びたいと思ってます。
Q.おすすめの日本酒をいくつか教えていただけますか?
茨城の「森嶋(もりしま)」と「霧筑波 桜翔(きりつくば おうしょう)」はぜひ飲んでほしいですね。今は地元・茨城にスポットを当てていて、日本酒のラインナップも地元中心にしてます。
毎月10日は「ジャパンの日」として、いろんな銘柄がワンコインで楽しめるイベントもやってます。
全国から仕入れることもできますけど、地元の酒の魅力を伝えるのも面白いなと思っているんです。

Q.今後やってみたい取り組みやコラボはありますか?
今ちょうど、宮崎の大きなお芋農家の方とコラボを検討しています。その方、実は神栖で仕事してるんですけど、世界に輸出してるレベルの農家さんで、すごく面白い取り組みができそうなんです。
まだ形にはなってないんですけど、もし実現できたら、今までにないような料理やイベントができるかもしれませんね。
Q.地域とのつながりや横丁全体の盛り上げにも積極的ですよね。横丁全体を見て動く中で、苦労していることはありますか?
考えてる暇はないってのが正直なところです。自分の店だけじゃなく、他のお店のことも頭に入れながらやらないといけない。
調整役っていうか、まとめ役的な立場になってるので、細かいことからイベントの企画まで、全部手探りでやってます。
でも、みんなが楽しんでくれるなら、それでいいと思ってます。

Q.調整役という立場で、他店のスタッフやオーナーから頼られることも多いと思います。どんな気持ちで対応されていますか?
ライバルとかはまったく思ってないです。聞かれたら答えるし、助け合えるならそれでいい。
みんなが成長して、横丁全体が盛り上がる方が大事だと思ってるので、自分のやってきた30年の経験が少しでも役に立てるなら、惜しみなく伝えますよ。
自分が出しゃばるんじゃなくて、裏方に回るくらいがちょうどいいですね。
Q.最後に、長年通ってくれている常連のお客さまに向けて、改めてメッセージをお願いします。
本当に、感謝、それだけです。
いろいろ考えると難しくなるけど、やっぱり「ありがとう」っていう気持ちが全て。こんな自分の店に足を運んでくれることが、なによりもありがたいです。
おやじ(つっちー)、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!