bar owl

看板のない隠れ家、bar owlへようこそ
マスター
bar owlは、ただのお酒を楽しむ場ではありません。ここは、家族が集い、子どもがハイハイを練習し、大人が深い会話とおいしいお酒を交わす場所です。
看板を出さずひっそりと佇むこの店は、まるで森の中のフクロウのように、静かに、でも確かに存在しています。ここに来たら「早く来ればよかった」ときっと思ってもらえるはずです。
Map:飲食
- 看板のないバー
- フクロウ
- ハマグリパスタ
Q.お店のスタイルについて教えてください。
まず、うちは看板を出していないんですが、それは店名から着想を得ています。
「bar owl」という店名はフクロウが由来となっていて、フクロウって「どこにいるかわからないけど、確かにいる」っていう存在じゃないですか。
静かに、でも確かにそこにいる。そんな存在でありたいという思いを込めてます。知恵の象徴でもあるフクロウにあやかって、お客様にとって「ちょっと気になる存在」になれたら嬉しいですね。
Q.お店を始めたきっかけにはどんな経緯があったんでしょうか?
実は親がラウンジをしていたんですよ。小さい頃から夜の仕事に触れていたので、自分も自然とバーテンダーの道に進みました。
銀座や千葉、石川でも経験を積みましたし、六本木の有名なジャズバー「ミスティ」で名前をもらおうと思ったこともありました。
ただ、妻が「ミスティってちょっと怪しくない?」って(笑)。それで「フクロウ」にしたんです。


Q.コンセプトについて教えてください。
「フクロウ」のコンセプトは「楽しい時間をお預かりします」というものです。
うちは家族連れのお客様も多いんです。中には授乳中にノンアルコールで楽しむ方や、小さなお子さんがハイハイの練習をしたこともありました。
お子さんが立って歩けるようになった、なんてエピソードもあります。
そういう風に、大人だけじゃなくて、家族みんなで楽しめる時間を提供できる場所でありたいんです。バーだけど、誰でも来ていいよっていう雰囲気を大事にしています。
Q.小さなお子さんが成長する姿を見守れるバーって、とてもユニークですね。ランチ営業を始めたきっかけも気になります。
最初は、せっかく箱があるんだから、昼も活かそうよっていう話からでした。
奥さんも賛成してくれて、ランチタイムは主に僕のレシピをもとに、手が空いてる方が料理を担当しています。
鹿島灘で自分で取ってきたハマグリを使ったパスタが人気で、地元の市役所からも「ふるさと納税の商品にしませんか?」と声をかけられているんですよ。

Q.その食材の選び方や調理法なども含めて、料理全般へのこだわりはどのようなところにあるのでしょうか?
料理も、内装も、器も、すべてに手を抜かないようにしています。
例えば、使っているグラスはバカラ製で、12万円のものもありますし、キャビネットは120〜130年前のアンティーク、カウンターも栃木の木材を使って、職人さんと話し合いながら仕上げた7メートルのものです。
包丁も浅草の名工のものを使っています。全ては本物を提供したいという一心ですね。
Q.人気のドリンクや、おすすめの一杯はどれですか?
うちの売りは、果肉から丁寧に手搾りするフルーツカクテルですね。
絞り方で味が全然変わるんですよ。逆に絞りすぎるとエグみが出るんで、そこは繊細にやってます。
あとは、希少な芋焼酎「嗄火萬膳」や、1952年のマッカランなども人気です。特にマッカランは東京だと1杯10万以上するものを、うちでは3万円で提供してました。ロマンのあるお酒です。

Q.酒好きにはたまらないラインナップですね。初心者やお酒が苦手な方への工夫はありますか?
もちろんです。ノンアルコールのメニューも揃えてますし、フルーツジュースも自家搾りで提供しています。
お客様には、まず好きな味を聞いて、いくつか提案して選んでもらう形です。例えば酸味が苦手な方には、柑橘系でも絞り方を工夫して「キュンとこない」ようにしたり、自分でおいしくないと思ったら提供しません。
素材も仕入れも、全てに理由があります。
Q.まさにプロの信念ですね。接客の面ではどのようなことを大切にされていますか?
バーテンダーは「テンダー=世話人」なんです。だからお客様に「気遣い」じゃなくて「心遣い」をすることが大切だと思ってます。
例えば、会話中にグラスを倒しそうだなと思ったら、さりげなく位置をずらす、気付かれないように、恥をかかせないように。気遣いって、気付かれると疲れるじゃないですか。
心遣いは、気づかれずに喜んでもらえる。そこが一番の理想です。
Q.bar owlが今後チャレンジしたいことはありますか?
今、実は「防災×食」の取り組みを始めていて、ライフラインが止まった想定で、うちの庭でお客さんと一緒に食事会をしています。
震災はいつ来るか分からない。だからもしもの時に自分たちで生きる力を楽しく身につけられる場にしていきたいんです。
今は練習中ですが、今後は定期イベントにして発信していけたらと思ってます。
Q.最後に、これからbar owlを訪れる方へメッセージをお願いします。
うちは看板がないから、「怪しい」「入りづらい」と言われがちです(笑)。でも、初めて入った方の多くが「もっと早く来ればよかった」と言ってくれます。
飲みに来るか来ないかは本人の自由、でも、誰かが魅力を伝えてくれたら、それで十分だと思ってます。だからこそ、「怪しいけど、最高だった」って口コミが広がったら嬉しいですね。

マスター、本日は素晴らしいお話をありがとうございました!